- 初めての海外旅行を控えていてスリや盗難が心配な方
- ヨーロッパやアジアなどの治安が不安なエリアへ行く予定の方
- 一人旅や女性同士の旅行で防犯対策をしっかりしておきたい方
海外旅行の楽しみの裏には、日本ではあまり意識しない「スリ・盗難」という現実があります。特に観光地や人混みでは、旅行者は犯人から見れば絶好のターゲット。油断した一瞬が、財布やパスポートの喪失につながることも少なくありません。
この記事では、スリや盗難が多い場所や時間帯、旅行者が狙われやすい行動パターン、そして現地でできる具体的な防犯対策や被害時の対応方法までをわかりやすくまとめました。実際の経験や注意点も交え、初めての海外旅行でも安心して行動できるよう解説します。
安心して旅を楽しむために、まずは「狙われにくい旅行者」になるための知識を身につけましょう。
スリ・盗難は身近なリスク

海外旅行中のスリや盗難は、思っている以上に身近なトラブルです。特に日本のように治安が良い国から訪れる旅行者にとっては、防犯意識のギャップがトラブルの引き金になることも少なくありません。
実際にスリが多発しているのは、パリやバルセロナ、ローマといった人気観光地や、鉄道・地下鉄・バスなどの公共交通機関、混雑したマーケット、観光名所周辺などです。「観光客らしい格好」や「気が緩んでいる様子」は、スリ犯にとって格好のターゲット。
また、スマホや財布をテーブルに置いたまま食事をする、日本語の地図を広げて立ち止まる、リュックを背負ったまま満員電車に乗るなど、日本では問題にならない行動が、海外では狙われる原因になります。
どんなに治安が良いとされる国でも、スリや盗難のリスクはゼロではありません。だからこそ、あらかじめリスクを知り、できる備えをしておくことが大切です。
スリ・盗難が多い場所と時間帯

スリや盗難は、「どこでも」「いつでも」起こり得ますが、実際には特定の場所や時間帯に集中する傾向があります。あらかじめ注意が必要な場面を知っておくだけで、リスクをぐっと減らすことができます。
海外旅行中のスリ・盗難が多い場所
- 観光名所や有名スポット
- 鉄道駅・地下鉄構内
- バスやトラムなどの公共交通機関
- 空港やフェリーターミナル
- レストランやカフェの座席周り
観光名所や有名スポット
人混みや写真撮影に夢中になっている観光客は格好の標的です。特に人気の広場やモニュメント周辺では、リュックやバッグのファスナーを開けられて盗られることも。
バッグは必ず前に抱え、ファスナー部分に手を添える。貴重品は内ポケットやセキュリティポーチに収納し、撮影時もバッグから目を離さないようにしましょう。
これまでいくつかの都市を回りましたが、特に観光名所周辺は軽犯罪が最も多く発生する場所です。
盗難・スリはもちろん、ぼったくりのお土産や、アナウンス・ガイド・ツアーの押し売り、さらには写真撮影後の強引な代金請求など、さまざまな手口があります。いつもの倍以上は警戒しておきましょう。
鉄道駅・地下鉄構内
乗り降りの混雑や列車の発車間際など、注意が散漫になりやすいタイミングを狙われます。長距離列車の車内でも、荷物棚や足元に置いたバッグが被害に遭うことがあります。
荷物は常に手元または視界に置き、長距離移動時はワイヤーロックや南京錠で固定しましょう。停車中や乗り換え時は特に警戒を強めてください。
バスやトラムなどの公共交通機関
車内が混雑して密着せざるを得ない状況はスリにとって好都合。座席の下や網棚に荷物を置くと目を離しやすく、被害のリスクが高まります。
荷物は膝の上に置き、手でしっかり押さえましょう。混雑時は特に背後や横からの接近に注意し、リュックは前に抱えるとGOODです。
空港やフェリーターミナル
到着直後や移動直前など、慌ただしい場面では荷物管理が甘くなりがちです。チェックインや荷物検査の待ち時間中も警戒を怠らないようにしましょう。
待機中も荷物から手を離さないようにし、呼び出しや手続きでその場を離れるときは、必ず同行者に見張ってもらいましょう。
レストランやカフェの座席周り
椅子の背もたれにバッグを掛ける、足元に置くといった行動は危険です。特にテラス席や人通りの多い店では、通行人を装った犯行もあります。
バッグは膝の上か身体の内側に置くようにしてください。テーブル固定型のバッグフックを使うと安心です。席を立つ際は、必ず持ち歩くようにしましょう。
海外旅行中のスリ・盗難が多い時間帯
- 朝夕のラッシュアワー(通勤・通学時間)
- 昼間の混雑ピーク(観光客が多い時間)
- 夜間から深夜にかけて(人通りが少ない時間)
- イベント開催時や祭りの最中
朝夕のラッシュアワー(通勤・通学時間)
通勤・通学で駅やバスが混雑する時間帯は、スリにとって絶好のチャンスです。体の接触が多く、気づかないうちにバッグを開けられることもあります。
混雑時はリュックを前に抱える、ファスナー部分に手を添えるなど、常に持ち物に意識を向けましょう。
昼間の混雑ピーク(観光客が多い時間)
観光スポットやショッピングエリアが賑わう昼間は、観光客を狙った盗難が増える時間です。特に写真撮影や買い物に夢中になっているときは、注意力が散漫になりやすいため要注意。
混雑の中で立ち止まらない、貴重品を人混み側に向けないなどの工夫が有効です。
夜間から深夜にかけて(人通りが少ない時間)
日没後や深夜は、人気が少なく犯行が発覚しにくいため狙われやすい時間帯です。
飲食や観光で遅くなった場合は、明るく人通りの多い道を選び、スマホを見ながら歩かないようにしましょう。タクシーや配車アプリを活用するのも安全策の一つです。
イベント開催時や祭りの最中
音楽フェス、スポーツ観戦、地域の祭りなど、大規模イベントでは人が密集し、スリや置き引きのリスクが高まります。特に夜間イベントや屋外会場では照明が暗く、周囲への注意が行き届きにくくなります。
必要以上の現金やカードは持ち歩かず、防犯グッズを活用しましょう。
旅行者が狙われやすい行動パターン

スリや盗難の被害者になりやすい人には、いくつか共通する「無意識の行動パターン」があります。現地で自然にやってしまいがちな行動こそ、犯人にとっては絶好のチャンスです。
注意が散漫になっているとき
- 観光地で写真を撮っている
- 地図やスマホを見ながら立ち止まっている
- 迷っている様子でキョロキョロしている
このようなときは周囲への注意力が低下しており、バッグやポケットに手を入れられても気づきにくくなります。
写真撮影や地図確認をするときは、壁際や建物の中など狙われにくい場所で行うようにしましょう。立ち止まるときはバッグを前に抱え、周囲を一度見渡してから行動するとGOODです。
荷物の管理が甘いとき
- リュックを背負ったまま満員電車に乗る
- カフェでスマホや財布をテーブルに置く
- 荷物を椅子にかけたまま目を離す
荷物の管理が甘いときは、ひと目で「無防備」と判断され、標的にされやすくなります。
公共交通機関ではリュックを前に抱えるようにしましょう。貴重品は常に身体に触れている位置で管理し、席を離れる際は必ず持ち歩くよう徹底してください。
高価なものを目立つ場所に身に着けているとき
- ブランドバッグや高級時計を身に着ける
- 最新のスマホを手に持ったまま歩く
犯人から「お金を持っていそう」「盗る価値がある」と判断され、計画的に狙われることがあります。
ブランド品や高額なガジェットは必要な場面以外では目立たせないようにし、スマホ操作は建物内や多くの人の目に付かない場所で行うようにしましょう。
旅行中にできるスリ・盗難対策

スリや盗難は、「ちょっとした油断」が命取りになることも。以下のような具体的な対策を講じることで、被害を未然に防ぐことができます。ポイントは以下のとおり。
- バッグや財布などの貴重品は常に視界に入る位置に
- 写真撮影中や会話中も荷物から手を離さない
- 貴重品は分散して保管
- 不自然な声かけや助けを求められたら要注意
バッグ・財布の持ち方を工夫する
人混みを歩くときは、リュックではなく前掛けのショルダーバッグがおすすめ。体の前にかけることで常に視界に入り、狙われにくくなります。
財布やスマホはズボンの後ろポケットやバッグの外ポケットには入れず、内ポケットやチャック付きの深いポケットに入れると安心です。
人混み・観光地では警戒モードに
観光地や混雑した場所では、写真撮影に夢中にならず、荷物から手を離さないようにしましょう。
話しかけられたり、近くで揉め事が起きたりしたときは要注意。スリグループが連携して、注意をそらそうとしている可能性があります。
荷物・貴重品は分散させておく
クレジットカードや現金、パスポートなどの貴重品は一か所にまとめず、複数に分けて携帯すると被害を最小限に抑えられます。
予備のカードや現金をホテルのセーフティボックスに保管しておくのも有効です。
地元住民を装った詐欺にも注意
地元住民を装った詐欺にも注意が必要です。「署名してほしい」「募金をお願い」といった声かけには立ち止まらず、毅然とした態度でその場を離れましょう。
子どもや高齢者を装った犯行もあるため、見た目で油断しないことが大切です。
観光中の異国の地で、見知らぬ人から急に助けを求められることはほとんどありません。困っている人を助けたい気持ちは大切ですが、「なぜ観光客の自分に声をかけてきたのか?」と一度立ち止まって考えることで、スリや詐欺の被害を防ぎやすくなります。
万が一盗難にあってしまったら?被害時の対処法

どれだけ対策をしていても、残念ながら被害にあってしまうこともあります。そんなときに慌てないために、事故にあった場合の対応について、事前に確認しておきましょう。
- 落ち着いて被害状況を整理
- 現地警察に被害届を提出
- クレジットカード・スマホ等の利用停止
- パスポートの失効・出国のための手続き(パスポート紛失時)
- 帰国後に保険金請求(盗難保険に加入している場合)
落ち着いて被害状況を整理
まずは深呼吸して、被害状況を冷静に把握します。
- 何が盗まれたか(例:財布・スマホ・パスポート)
- いつ・どこで被害にあったか
- 犯人の特徴(分かれば)や目撃情報
警察に被害を訴えるときに、この情報が必要になります。手元にスマホがあればメモ機能で、なければ紙で記録しておきましょう。
非常事態用に、持ち運びやすい紙とペンをワンセットだけ持ち歩くことをオススメします。
現地警察に被害届を提出
記録した被害状況をもとに、現地の警察へ盗難被害を届け出ます。英語や現地語での簡単な会話例を準備しておくか、翻訳アプリを活用すると手続きがスムーズに進みます。
被害届が受理されると、盗難証明書(ポリスレポート)が受け取れます。多くの保険会社では、この盗難証明書がないと保険請求ができません。また、パスポートの失効・再発行手続きにも必要になりますので、必ず受け取りましょう。
クレジットカード・スマホ等の利用停止
盗まれたものがクレジットカードやスマートフォンの場合は即時対応を。カードは利用停止&再発行依頼、スマートフォンは遠隔ロック操作を行います。
クレジットカードの利用停止
クレジットカードの盗難や紛失時は、即座に利用停止依頼を行いましょう。連絡方法は、電話・公式ウェブサイト・公式アプリの3種類。
最も早いのは電話で、カード裏面や公式サイト記載の「紛失・盗難専用ダイヤル」に連絡します。多くのカード会社は24時間365日対応で、本人確認後すぐに利用停止が可能です。
ウェブや公式アプリからも手続きでき、会員専用サイトにログインし、「カード管理」や「紛失・盗難」から申請すると、数分〜数時間以内に反映されます。
公共料金や携帯料金など、カード払いにしていた契約がある場合は、停止後に支払い方法の変更手続きも忘れずに行いましょう。
クレジットカードの再発行依頼
利用停止後は、そのまま再発行の申請を行います。手続きは以下の方法で可能です。
- 会員専用サイトから申請
各社の専用サイトにログイン後、「カード再発行」メニューから申請できます。 - 専用電話窓口から申請
24時間受付の専用ダイヤルに連絡します。紛失・盗難時は「紛失・盗難専用ダイヤル」、破損や磁気不良の場合は自動音声や店頭対応も可能です。 - 公式アプリから申請
一部のカード会社では、アプリからも再発行手続きができます。生体認証を利用できる場合もあり、セキュリティ面でも安心です。
新カードは通常1週間〜10日前後で到着します。また、多くのカード会社では再発行手数料(1,100円前後)が必要です。再発行後は旧カードを物理的に破棄し、安全管理を徹底しましょう。
スマホの遠隔ロック操作
スマートフォンを盗まれた場合は、遠隔操作でロックをかけることで不正利用を防げます。
- iPhoneの場合
iPadやMacなどの他の端末から「探す」アプリを起動し、紛失モードを有効化します。端末がオンラインになった時点で自動ロックされ、操作が制限されます。 - Androidの場合
android.com/lock にアクセスし、電話番号を入力します。reCAPTCHA による確認を完了します。デバイスのロックを依頼します。
PCや他のスマホからアクセスし、端末を選んでロックや紛失モードを実行します。端末がオフラインでも、次回オンラインになった時点で自動的に反映されます。
いずれの操作も事前設定(GoogleアカウントやiCloud連携など)が必須なので、出発前に有効化しておくと安心です。
操作方法をより詳しく知りたい方は、【Apple】iPhoneやiPadが盗まれた場合や、【Google】個人データを盗難から保護するを参考にしてください。
パスポートの失効・出国のための手続き(パスポート紛失時)
パスポートを盗まれた場合は、パスポートの失効手続きと、出国のための手続きが必要です。対応が遅れると、帰国が遅れてしまう可能性がありますので、こちらも即時対応を心がけてください。
パスポート関係の手続きは、すべて日本大使館・総領事館のいずれかで行います。手続きの流れは以下のとおり。
- 現地警察で紛失・盗難届を提出
- 日本大使館・総領事館で紛失したパスポートの失効手続き
- 「帰国のための渡航書」の発行手続き または 「パスポートの再発行」手続き
- 入国管理局で出国のための手続き(東南アジアなどの一部国や地域)
詳細は、各国の大使館・総領事館ホームページも参考にしてください。
現地警察で紛失・盗難届を提出
まず最寄りの警察署に行き、紛失・盗難証明書(ポリスレポート)を発行してもらいます。この書類は、パスポートの失効手続き、パスポート再発行・帰国のための渡航書申請に必須で、国によって名称や発行手続きが異なります。英語や現地語での簡単な説明文をあらかじめ用意しておくと、スムーズに手続きが進みます。
日本大使館・総領事館で紛失したパスポートの失効手続き
現地の大使館または総領事館にて紛失一般旅券届出書を提出し、紛失したパスポートを正式に失効させます。これにより、不正利用を防ぎつつ、次の発行手続きに進めます。
- 紛失一般旅券届出書
- 現地警察の紛失・盗難証明書(ポリスレポート)
- 顔写真1枚(縦45ミリメートル×横35ミリメートルで6か月以内に撮影されたもの)
- 一度紛失手続きをしたパスポートは、後日発見されても再利用できません。もう一度パスポートを利用するためには、再発行が必須になります。
- 大使館や領事館の利用は大半が予約制。ただし、緊急時には優先的に対応してもらえることもあります。事前に開館日・予約要否を確認してください。
「帰国のための渡航書」または「パスポートの再発行」手続き
パスポート失効手続きのあと、そのまま「パスポートの再発行」か、「帰国のための渡航書発行」のどちらかの申請を行います。
- 帰国が迫っている場合:帰国のための渡航書を申請します。通常は数日以内に発行され、有効期限は日本帰国に必要な日数のみです。
- 現地で滞在を続ける場合:新規パスポートの再発行を申請します。発行までに数日〜1週間程度かかるため、滞在日程に余裕を持って手続きしてください。
帰国まで残された日数が少ない・日本に帰りたい方は「帰国のための渡航書」。帰国まで1週間以上の猶予がある・他にも周遊する国がある方は「パスポートの再発行」を選択しましょう。
それぞれ必要な書類は以下のとおり。
- 渡航書発給申請書
- 戸籍謄本又は抄本又は本籍の記載がある住民票(いずれも6か月以内に発行されたもので原本)
- 顔写真1枚(縦45ミリメートル×横35ミリメートルで6か月以内に撮影されたもの)
- その他帰国の日程等が確認できる書類(航空券など)
申請から受け取りまでの日数は、国や時期によって異なります。特に、パスポートは発行までに1ヶ月以上かかる国もありますので、事前に確認しておきましょう。
入国管理局で出国のための手続き
国や地域によっては、新しいパスポートや渡航書で出国する際に現地入国管理局(イミグレーション)で追加手続きが必要になる場合があります。例としては、タイ・カンボジア・ベトナム・フィリピン・中国(香港・マカオ含む)・南米・インドなど。
手続きは国ごとに異なり、大使館・総領事館で必ず指示を受けてから入国管理局(イミグレーション)に出向くのがベスト。必要になる書類は以下が一般的です。
- 新しいパスポートまたは帰国のための渡航書
- 現地警察の紛失・盗難証明書(ポリスレポート)
- 帰国の航空券
- 入国日を確認できる書類(航空券や航空会社の搭乗記録)
- 紛失したパスポートのコピーまたはパスポート番号
欧州シェンゲン領域や米国など、電子記録中心の国では出入国データが電子化されており、原則追加手続き不要な場合が多いですが、念のため当局への確認をオススメします。
海外旅行の盗難保険に加入している場合の手続き
海外旅行保険やクレジットカード付帯保険に「携行品損害」などの盗難補償が含まれている場合は、保険の対象になる可能性があります。被害直後から手続きの準備を始めましょう。
- 現地で被害届を提出
- 保険会社に連絡
- 必要書類を揃えて申請
- 帰国後に書類を提出
保険金の請求には、以下の書類が必要になります。
- 現地警察の盗難・紛失証明書(ポリスレポート)
- 盗難被害品の購入日・価格が分かる領収書や保証書
- パスポートのコピー
- 日本出入国日が確認できる資料(チケット控えや旅程表など)
- 保険証券または保険契約証
- 保険金請求書(ウェブ申請または書面提出)
保険請求の流れ
- 現地で被害届を提出
盗難に遭ったら、まず最寄りの警察で盗難証明書(ポリスレポート)を発行してもらいます。これはほぼすべての保険会社で請求時に必須。証明書が無いと保険金が支払われないことが多いため、必ず取得しましょう。 - 保険会社に連絡
事故発生から30日以内に保険会社へ連絡し、日時・場所・状況を報告します。早めに連絡することで、必要書類や対応方法を案内してもらえます。 - 必要書類を揃えて申請
一般的に必要となるのは以下の書類です。- 盗難届出証明書(現地警察発行)
- 被害品の購入日や価格が分かる領収書・保証書
- パスポートのコピー
- 出入国日が分かる資料(チケット控え、旅程表など)
- 保険証券または契約証
- 保険金請求書(ウェブ申請や郵送)
- 帰国後に書類を提出
保険金請求は、帰国後に国内窓口へ提出するのが一般的です。必要書類が不足している場合は、すぐに保険会社へ相談しましょう。最近はオンライン申請に対応している会社も増えています。
提出期限は保険会社ごとに異なりますが、帰国後30日以内などの短い期間が設定されていることが多いです。被害直後は動揺して気持ちの整理が難しいかもしれませんが、深呼吸して落ち着き、できる範囲から早めに対応を進めていきましょう。
盗難保険申請のポイントと注意事項
- 盗難証明書は必ず取得:現地警察での発行が必要です。
- 価格証明を準備:領収書や保証書があればスムーズ。紛失時は購入店情報でも対応できる場合があります。
- 期限を守る:保険会社への連絡は事故から30日以内が目安。
- 事前確認を怠らない:保険会社ごとに手続きや必要書類は異なるため、出発前に公式サイトや約款をチェックしておきましょう。
被害時は気が動転して冷静な判断が難しいこともありますが、申請の流れ・ポイントを知っておけば落ち着いて行動できます。旅先での不測の事態にも備え、早めの対応を心がけましょう。
渡航前にできる準備と心得

スリや盗難の被害を最小限にするには、旅行前の備えがとても重要です。以下のような準備をしておくと、万が一のトラブル時にも落ち着いて対応できます。
持ち物・装備の工夫
ここでは、次の3つの工夫を紹介します。
- 貴重品は分散収納
- セキュリティグッズの活用
- 英語のメモや連絡先控えを持参
貴重品は分散収納
財布・パスポート・現金・カード類などは、一か所にまとめずに複数のポーチやカバンに分けて持つようにしましょう。盗難被害にあっても、すべてを失うリスクを下げられます。
セキュリティグッズの活用
ネックポーチ、マネーベルト、スキミング防止ケース、南京錠つきバッグなど、防犯に特化したアイテムを活用すると安心です。旅のスタイルに合わせて選びましょう。
英語のメモや連絡先控えを持参
クレジットカードの緊急連絡先や大使館情報を英語でメモしておくと、現地で焦らず対応できます。スマホ保存だけでなく、紙の控えもあるとより安心です。
保険・補償の確認
海外旅行前には、万が一スリや盗難の被害にあった際の補償内容を必ず確認しておきましょう。加入している海外旅行保険やクレジットカード付帯保険には、盗難や所持品損害を補償する特約が含まれている場合があります。適用条件や補償額、対象となる品目は保険ごとに異なるため、約款やパンフレットで詳細を事前に把握しておくことが大切です。
特に注意したいのは、現金や高額品の補償上限が低い場合が多いという点です。現金はほとんど補償されないケースもあるため、多額の現金を持ち歩かない、または分散して保管するなどの対策が必要です。
被害後の申請期限や必要書類(警察の被害届、領収書、パスポートの出入国記録など)も事前に確認しておきましょう。いざというときに備え、保険会社やカード会社の緊急連絡先をスマホと紙の両方で控えておくと安心です。
心構え・情報収集
海外でスリや盗難のリスクを完全にゼロにすることはできません。しかし、事前に心構えを持ち、必要な情報を押さえておくことで、被害を最小限に抑えられます。
まず大切なのは「自分は狙われるかもしれない」という意識を持つこと。日本の治安感覚で過ごすと、防犯意識が緩みやすくなります。観光地や交通機関、混雑エリアでは特に注意を払いましょう。
渡航先の治安情報や被害事例は、外務省の海外安全ホームページや旅行先の在外公館サイトで最新の情報を確認できます。現地でよく起こる手口や危険エリアを知っておけば、事件・事故に巻き込まれる確率をグッと減らせます。
緊急時に備えて、大使館や領事館の連絡先、クレジットカード会社の緊急連絡番号、現地の警察・救急の番号をメモやスマホに保存しておくのも効果的。慌てて探す余裕がない場面でも、すぐに連絡できれば心強く、安心して行動できます。
スリ・盗難犯の気持ちになって考えてみる
防犯意識を高めるには、犯人の立場から「なぜその人を狙うのか」を想像してみるのが有効です。狙われやすい条件を知れば、逆に「狙われにくい自分」を作ることができます。
例えば、スリや盗難を行う側からすれば、どうせリスクを負うなら多くの現金や高価品を持っていそうな人を選びます。対策としては、ブランド品や高価そうなアクセサリーを持ち歩かない、財布を目立たせないなど、お金を持っていないように見せる工夫が効果的です。
また、観光客が狙われやすいのは、被害後に捕まる可能性が低いからです。短期滞在で再び会うことはほぼなく、異国での被害は泣き寝入りしやすいため、犯人にとってリスクが低いのです。この点を踏まえ、観光客らしさを抑えるために現地の人に近い服装を意識したり、地図やスマホを人目の多い場所で広げない工夫をしましょう。
こうした「犯人の視点」を知っておくことで、より現実的な防犯対策が取れるようになります。
まとめ|「自分は大丈夫」という油断が一番のリスク
海外旅行中のスリ・盗難は、決して特別な出来事ではなく、観光名所や人混みでは日常的に発生しています。特に観光客は、土地勘のなさや荷物の多さ、写真撮影や移動に夢中になることで注意力が散漫になり、犯行グループにとって格好の標的になります。
重要なのは、「自分は狙われない」という油断を捨て、常に荷物の位置・周囲の人の動き・不自然な接触に意識を向けることです。バッグの持ち方や貴重品の分散、怪しい声かけを無視するといった基本の対策を徹底するだけでも、被害の可能性は大きく減らせます。
旅行は楽しむためのものですが、安全あってこそ満喫できるもの。事前の準備と現地での冷静な行動を心がけ、安心して旅を楽しみましょう。
あなたの旅が、安心とワクワクに満ちたものになりますように。
安全対策とあわせて、体調不良への備えも重要。以下の記事では、海外で体調不良になってしまった場合の対応方法や、海外旅行保険の利用の仕方を解説しています。ぜひ参考にしてください。

防犯や体調管理を含め、現地滞在中に知っておきたいポイントを総合的にまとめています。

スリや盗難対策だけでなく、体調管理も含めて「旅の安全対策」を総合的にまとめた記事はこちらです。

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